或は、安部公房の「壁」を読んでいる時の現実が幻想に満ちていたあの時のように、
或は、午前3時にクラフトワークを聴いてたら、見知らぬ車が実家をぐるぐると何周もするのを見た記憶が確かにあるように、
或は、遠く離れてしまった昔の幼なじみが自殺したと聞かされたあの十代の頃のように、
「ベルカ、吠えないのか」以来、遠ざかっていた古川日出男。そんな古川の大作「聖家族」を今になってようやく読みきったのだけど、
それはとても感慨深いもので、読んだ直後にふらっと出た週末の池袋の雑踏をFour Tetの「Everything Ecstatic」を聴きながらうろついたら、
その時は僕にとって今は忘れてしまった大切なあの頃へやっと戻る事のできた貴重な時間だった。場所、自分という純粋だった。
一転
そのときの感情こそ、アニマルコレクティブの新作「Merriweather Post Pavillion」のレビューをするのにセカイイチふさわしいものだった。少なくともタワレコのレビューには負けもしないぜ。
アニマルコレクティブ。
そう、生きるのは悲しいことだからヒトはパーティーをする。何が悪い。誰が決める。俺。君。あなた。僕。誰?お前。あいつ。みんな。ま、いい。でも生まれちゃったんだよ、俺たち。
だからさ、その後なんだよ。自分のケツは自分で拭えってよ
あなたは人生に何を見てる?
だって、生まれちゃったんだよ、俺たち。
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