秋。
秋は四季の中で一番好き。
小さかった時、日の長さが短くなっていくことに抱いたちょっとおセンチな感傷。冷たくなってくる風はなんだか空気が透き通っていく様で、唯一知ってるオリオン座が妙に目につくようになる時期。夜になればマフラーでも巻いてみて、元気の出ない時はそこにすこしだけ顔を埋めてみる。吐く息が白いのを見て自分が呼吸してることを実感したり、まぁとにかく何かと感慨深い季節なのがこの季節。一番グレーな季節というのも良い。
すべてが始まり、何かと周りが浮かれて見えるグレーのようで実はピンクでしかない春は一番嫌いだったし、夏は暑すぎるし冬は寒すぎる。春の花粉、夏の蒸し暑さや冬の凍てつく空気は、ぼーっととめどなく何かについて深く考えたり、ぼーっと何も考えなかったり、という時間を与えてくれないし。
最も好きな感覚である「サウダージ感」が顕著な季節でもあり、だからなのか、この季節はいろんなものの趣向がちょっと変わる。それらが産む感動や新しい観点も深ーく刻まれる。これも季節が好きになる大きな理由になりえる。というわけで、今年も飽きもせず立て続けに読んだ O・ヘンリーの短編集。クリント・イーストウッドというジャンルを決定付けたグラン・トリノもまた観た。ぱっとしない人間のためのマスターベーション音楽だと思ってたバンド KINGS OF CONVIENIENCEの最新作 DECLARATION OF DEPENDENCEにも感動してる。
朝起きてコーヒーを沸かす嬉しさも、夜眠る前に焼酎を注ぐ幸せも、いつだって秋が一番。
まるでCMのコピーライティングかのようにキレイゴトしか浮かばないのも、これもきっと季節のせい。冷静にテンションが上がる環境。いいね!
1 comment:
ありがとう。
おかげで今日は仕事にいけるよ。
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