Tuesday, August 5, 2008

BACK IN WISCONSIN. DAY 2



ウィスコンシンを訪れることを決めた翌日、友人宅へ旅の詳細を伝えるべく電話をかけると留守。彼はライブ中ということで、まだ会った事のない彼の母親が受話器を取る。「あなたのことは息子からよく話は聞いているわよ」とのことで、まだ一度も顔を会わせたこともない自分の旅を気遣ってくれたのか、宿泊先は州立公園近くの閑静な林に住む一家のゲストルームを使えるよう予め連絡を取っておいてくれたという。「そこが気に入らなければウチでもいいし、まぁウィスコンシンには帰るべきところはいくらでもあるから」と笑いながら伝えてくれた。
前々から気付いてはいたが、ウィスコンシンにおける親子関係、というか街の人間関係が最高だ。以前に長期滞在していた時も、ライブになると皆両親や親戚などがこぞって見に来てくれるのが常だった。僕らが演奏していたのは、30分からなる持ち曲無しで堂々のインプロビゼーション音楽。使用しちぇいた楽器も声のループやテルミン、リズムマシーン、サンプラー、おもちゃなどを使った即興音遊びに度重なるギターディストーションといった、牛やとうもろこしに囲まれ育った人々が日々好き好んで聞くとは思えない代物。以前日本から自分の両親を招いて行った際に開いたライブイベントでは、あまりのノイズ量に警察が止めに来たほど(もちろん全員で地下に移動して中から鍵かけて続行しました)。そのような赴きにも関わらず彼らは皆見に来てくれていた。もちろん家族だけではなく、近郊に住む高校生や大学生からアート関係の人々や音楽好きな、際物好きなおじさんおばさんまでもが来てくれたりする。別に意識的にサポートしてくれるわけではなく、無意識的に興味を持って偏見なく見に来てくれるのだ。そこがなんともユルい。ユルすぎて素晴らしかった。そう、音楽に対する楽しみ方なんて無意識的で充分でしょう。

ニューヨークで忘れかけていたそんな温かみを違った角度から再度経験することができた旅行となった。そんな極上にユル〜いウィスコンシンの写真をいくつか。