Friday, December 10, 2010

(Just Like) Starting Over.

ラジオをつければ毎日ジョンレノンが流れている。

1980年12月8日没。自分が生まれる前にはもういなくなってた人。

伝説の人。平和の提唱者。時代の寵児。素晴らしい音楽家。

個人的には全然そんな視点で彼に敬意を持ったことはないし、今でもない。別に毎日彼の音楽は聴かない。

でも自分が奈落の底のような生活をしているこんなタイミング、没後毎年この季節になるとラジオはレノン一辺倒になる。

突然の不眠症に陥ってから2週間になる今、時代の気分に寄り添うような形で自分の気分もレノン一辺倒になった。
伝説でも偉くもなく、かっこよくもしっかりもしてない泣き虫ジョン君一辺倒になる。
寂しがり屋で人が好きで、やたらとナイーヴですぐ泣く、悩みやコンプレックスとか自分に正直が故の欲望の固まり。そんな痛みばっかりを毎日仕方なしに飲み込んでは、それでも人を求め続ける、どうしようもない人が心から唄う正直な歌。諦めが悪く、自分の信じることしか信じられない、本当の意味で人間的な、社会的にはむしろダメなレノン君の音楽一辺倒になる。
(強いジョンっていうのは結局、善かれ悪かれパートナーと一緒にいる時だけ、そしてそれもまた魅力的)

とにかく、あまりに正直すぎるそのメッセージ(とまで言えるかどうか、、)を聴くと自然に「それでもいい、むしろそれがいい、それしかない」と何でも許してくれる。


本当に人が音楽とかに救いを見いだすとき、それはコレクター癖みたいな潔癖セレクトでは心に響かない。自分で自分を救ってくれるような音楽を集めてディスクに焼くとする。すると人には笑われてしまうようなどうしようもないスタンダードナンバーのオンパレードとなる。というか経験上そうとしかなり得ない。
例えば一人で寝不足な頭と空っぽの心で、家にも帰りたくないからとりあえず事務所で深夜一人仕事をしているとする。ふとラジオからエルトンジョンのGOODBYE YELLOW BRICK ROADが流れるとする。その歌を聴いてると涙をこらえるのが辛いほど心に響いてくる。一言断っていくと、僕はパンクやハードコアで育ってから音楽が人生のすべてだと息巻いてレコードを集めたりしたこともあったり、私事ながらもし仮令一般的な平均とかいうものがあるとすれば、僕はヒトより若干音楽に対する凝った趣向、知識は持ち合わせている方だと自覚している。だから一般的に言う音楽好き同様、エルトンジョンはろくでなしのゲイだと思ってたし、今迄まともに耳を傾けたことさえもない。でもスタンダードというのは、クラシックというのは何らかの方法で、様々なたくさんのヒトの心を打ったからこそ今でも生きているわけだ。それがかっこ良いとかかっこ悪いとかそういう基準は、痛みを知らないで人生を楽な方へ楽な方へ生きてる連中が判断するものなんだろう、と思う(痛みを知らないヒトはもちろんいないと思うけど)。国境を越えて何十年もの時をまたがり、何十万、何百万ものヒトの心を動かした作品が届かない程、自分はこの世の中で特別でもない。





変な嗜好やコレクションを経てから得るものっていうのは結局はスタンダードへの回帰でしかないと思う。

こんな気分で地下鉄に揺られているとたくさんのヒトがそれぞれの表情を持って自分の周りにいることに気づく。
痛みはヒトを優しくするらしい。最近はどんなヒトとすれ違っても、そのヒトがちょっとでも困ったような顔をしようものなら自分まで心がいたくなる。そんなことだから眠れない夜明けに一人暴れだしたいようなことになるのかもしれないけど、それよりも自分至上主義で街行くヒトを見下したり卑劣したりするよりもはマシだ。ヒトにやさしくなること以上にすてきなことなんてない気がするから、そしてろくでなしのジョン君の歌は20年経つ今でもそんなヒトにやさしい音楽であって、それ以上でもそれ以下でもない、紛れも無いただ単にやさしいヒトのためだけのろくでもない正直な歌。そのために何かに溺れたりした彼の行為は責められるものでも讃えられるものでもまねされるべきものでも何でもない。

ただ一つ真似たい、むしろ参考にしたいことがある。
自分には何が大切で何がそうでないのか、合理的でも冷静でも何でもなくいつでも感情でしか生きられない自分は、自分が信じることしか信じられないから、そのために何が起ころうが起こらまいが関係なく、自分も自分が信じることをただただひたすら信じ続けていこうと思う。何も得られなくても、自分の信じることをあきらめるくらいでそれで楽になったって心の塵はたまる一方だろうから、自分の信じることをただ信じていく、と。自分の信じるものごとを信じて待ち続けることによって伴う痛みは、むしろ自分の人間としてのバランスを保ってくれるんだろうし、それを捨てて痛みが軽減したところで結局虚ろでインスタントな満足感しか得られないと思うし、それを自分は決して望んでいない、と。その結果すべてがダメになったらあの地平線一杯にひらけた空があるとこへ一切合財捨てきって消えてしまえばいい。人生は簡単なもんだ。
MY PRIVATE OWN WISCONSIN.

Monday, December 6, 2010

life is nearly done until i get to see you again.
and i really hope to bring it all back now.
never felt this strong before,
i really need it all.